レー・ラダク旅行

レー・ラダクに来た。
インドの最北端の土地でチベット仏教が盛んなところ。中国ではチベット文化が文革でほとんど残っていないのに対して、インドのチベット文化はほとんどそのまま残っていて、それを目当てに海外から様々な人たちが観光に来る。しかも冬は極寒の地なので夏の今のシーズンはベストシーズンとして有名である。

僕は今回のインド留学の最後の旅行の地に行った日本人全員が良かったと言ったこの地に旅行することにした。

旅行の前の日に前のアパートで飲み会があり、スペイン人の作ったサンガリアという天国の味のするお酒をたらふく飲んでしまい、旅行の準備がままならない中、ルームメイトの友達が旅行の準備をしてくれてなんとか飛行機に乗ることができた。

空港についた途端に、富士山の標高とほぼ同じ高さという点でいかに高いところにいるか。長袖だけでなんとか過ごせるくらいの気候だった。
空港で一人でいると一人の日本人のおじさんが話しかけてきた。日本人ですか?って。そんな感じで仲良くなって市街地までのタクシーを相乗りした。車内で日本から持ってきた新聞をくれたので日本で最近何があったのかを聞いたりして、日本のことにいかに疎いかを思い知らされた。オウムの信者が捕まったとか、小沢さんが離党したとか全然知らんかった。
Facebookかメールを見るくらいしかしないからな。

実は今回の旅は一人ではなく先に来ていた女子3人と合流するプランだった。だからその子たちが泊まっているホテルを探さないと行けなかった。そこで先におりたおじさんと別れて、探すことに。なんとか見つけることができて、無事にあうことができた。

一日目はたいてい高地に順応する必要があるので高山病の薬を飲んで寝ないと行けない。少し歩いたらそういえば息苦しいかなって言うくらいだったけど、すごい眠かったし、寝ることに。寝ている間に女子たちは世界一高いところにあるカフェに出かけて行った。起きたらそこから帰ってきたらしく、みんなげっそりしていた。5000メートルにあるカフェは想像以上にきつかったらしい。それからみんなで晩ご飯を食べに行って、ラダク名物のトゥクパを食べた。トゥクパはチベットのラーメン的なもので味もデリーほど辛くなくて好きな味だった。野菜たっぷりなところもおいしかった。

その後買い物をじっくりして、お土産を買って行った。あと、高山病の薬も。

次の日、朝は早い。5時に起きてシャワー浴びてから6時に車で出発。どこに行くかというと、パンゴンレイクという高地にある湖。観光名所である。そのパンゴンレイクまで車で片道6時間。山道で舗装なんてされてないところを6時間。しんどかったけど、途中で5400メートルまで登ってそこで写真とったのは登山仲間に自慢できると思う。どこを見ても絶景で世界の果てにきたと思うくらいの絶景を6時間味わい続ける感じだった。雪をかぶった山があると思うと、砂の山が幾重にも連なっていたり、下を見ると川が流れていたり、菜の花がきれいに咲いていたり、ほんとにずっと外を見ていた。

そしてパンゴンレイクに到着。一面砂の山と平野の中に広大に広がる湖を見ると、ほんとに天国にいるみたいな感覚になった。そして写真をとりまくった。
写真を撮ればとるほど写真の限界にショックを受ける。この経験をそのまま保存することなんてできないことがもどかしかった。

帰りはがたがた道で爆睡。気がついたら市街地についていた。まあ途中立ち止まってきれいな景色を写真とったりはしたと思うけど。激しく腰が痛くなったのと疲れたのを覚えている。

帰りにレストランでスキューというシチューのチベット版のものを食べた。

ここからが長かった。ゲストハウスに帰ってから、パンゴンレイクまで運転してくれた19歳の少年とその友達が座っていたので僕が話しかけた。話の流れで3人の女の子の中で誰が好き?って聞いたら男3人で盛り上がってしまって、お前その子を部屋から連れてこいとかほとんど高校の乗りになってきた。それはそれですごい楽しんだ。
そのドライバーの友達がデリーの専門学校で勉強しているらしく、家も近かった。それで意気投合して、デリーでも会うことになった。次の日は女の子たちが帰る日で僕も特に何をするつもりもなかったので、彼になんか連れてってって言ったら、バイクを借りてくれたら、どこでも連れて行ってあげるって言われた。それで、次の日はバイクを借りてツーリングに決定。

3日目。朝早くに女子たちは帰って行ってしまった。そして、僕はホテルも高いのでシフトしないと行けなかった。しかし、昨晩恋話で盛り上がってる中にホテルのおじさんも混じっていて、僕を気に入ってくれてきたない部屋を格安で貸してくれるって言ってくれた。しかも飯も一緒に食おうって。チベット人ほんま気さく。

ちょっと脱線。チベット人はインド人ってくくられるのを嫌っている。それは中国人ってくくられるのと一緒で独立しようとしているからそうなんだろうね。インド人はって話し始めたら、怒られたから。それと彼らは自分の宗教に誇りを持っているみたい。あって話し始めると必ず3言目くらいには宗教は何って聞いてくるからな。個人的には言語も宗教も文化も全然違うからインドからも中国からも独立してよし。

話は戻って、バイクを借りに。バイクは半日で450ルピーと格安。それを払って、パスポートを預けて出発。最高の天気、最高の景色、すべてがパーフェクトだった。バイクで風を切ることをあまりしていなかったからか最高に気持ちよかった。バイク欲しいと思った。イージューライダーとか一人で口ずさんでた。友達は地元人なので何でも知っている細かい道も知っているし、おいしい店も知っている。すべてを彼に任せた。ゴンパというチベットの寺を何件か回った。パレスと呼ばれる建物も回った。でも、正直そんなのどうでも良かった。景色が最高すぎて。

バイクから帰ってきて、彼がおばさんの家に行く用事があるというので一緒に行った。そこでチベット人の一般家庭にお邪魔した。もはや普通の旅行者では経験できない領域に達せたことをちょっとうれしく思う。バターチャイというものに初めて出会う。しょっぱいお茶でそれがおいしい。それと85才のおばちゃんに会った。彼女はもう寝たきりで何しゃべっているかもわからなかったけど、日本のことは知っていて、うれしそうになんか言っていた。ほっこりした。晩ご飯までいただいて、もう何年も友達であるかのような扱いであった。気さくすぎ。

そしてその日から倉庫のような汚い部屋に格安で泊まることに。2畳あればいいくらいの部屋である。まあ寝れるからいいけど。

4日目。今日はほんとはトレッキングに行く予定だったけど、なんかめんどくさくなって、一日中空を眺めることにした。真っ青な空、雲一つない完璧な空。音楽を聴きながら寝そべる。それだけ。そしたらすごい日焼けした。ゲストハウスの人といっぱい話して、そこの人全員と仲良くなった。そしたら次の日にダライラマが空港に来るって言うことがわかった。それからカルドンラというところに行くことも決定。とてもきれいなところらしい。バイクで行くのはクレイジーらしいけど、それも楽しみにしておこう。

あと、屋上で寝てたらフランス人が僕をホテルのスタッフの一人だと勘違いして、話しかけてきて面白かった。確かにスタッフしか知らないような屋上で寝てたし、スタッフしか入らないキッチンに出入りしてたし、スタッフ全員と仲良かったから勘違いするのも無理もないか。

ぼーっと過ごしてたらあっという間に昼過ぎになってた。友達になったチベタンがエンジニア志望で彼が電気機器を直すって言うので直すのを手伝った。ラダクまで来て電気機器を直すのを手伝うとは思わなかったけど、とっても興味深かった。こんなこと誰もしまい。。。

その後明日のカルドンラの入山許可を取るのにマーケットに行って、バイクの手配もした。その後、友達が地元民しか行かないようなカフェに連れて行ってくれた。掘建て小屋みたいなところで薄暗いところで、最初は何かと思ったけど、バターチャイとラダクロティのコンビが最高においしかった。ガイドブックには絶対載ってないくらい小さいところだったけど、載せる価値のあるくらいだった。それからストリートの焼き羊を食べてまたおいしかった。地元民しか知らんだろって全部突っ込んでおいた。その後食べたチキンタントゥクというワンタンメンが日本の味に近くて最高においしかった。

ここからが4日目の本番となった。夜になってふと空を見上げると、満天の星空が広がっていた。満天で星が降ってくるかと思うくらい。ほんとに感動した。ゲストハウスに帰ってから速攻で屋上に上がってしばらく見ていた。
しばらくして寒くなったので部屋というか倉庫に戻って寝た。

そして最終日。今日は忙しい。朝の6時に起きてダライラマがラダクにくるのを拝見しなければならない。友達の家族に同行して、車で近くのメインストリートに出て行った。そしたら、もうすでにたくさんの人が列を作ってダライラマを待っていた。たくさんのラダク人と仲良くなってどのように拝むのかとか、どのように見るのかを教えてもらった。眠いから車の中で寝てたらあたりがいきなり騒がしくなったので、起きて行ってみるとすぐに車が何台か目の前を横切って行った。友達にもうすぐだよって教えてもらって待っていると、ラッパを持った人や、太鼓を叩いている人が車の荷台に載っていた。その車が通り過ぎて行ったら、黒い車がゆっくりと走ってきた。その中にはテレビで見たことのある人が手を振って乗っていて、すぐにダライラマだということがわかった。一瞬だけど目があってすごい興奮して、心が熱くなった。こんな経験なかなかできないなと。しかも年に一度ダライラマが訪れる日が旅行の日と重なってすごいラッキーだと思った。

帰ってから入山許可をとってカルドンラに登ることに。しかも友達とバイクで。これは地元の人も気をつけてねって言うくらい、道が荒くて、バイクで行くことをお勧めされないようなところだった。しかし、一生に一度くらいいいかって思ってしまって、バイクで行くことに。

バイクに乗ってからは最初はいい道が続いていたけど、入山許可証を渡してからは道が急に荒くなって、何回バイクから落ちそうになったか。
途中の雪の塊から水が落ちていて本物の雪解け水を飲んだ。水は買うものじゃないよって友達が教えてくれたけど、ほんとにおいしかった。
2時間半耐えて世界一高いお土産屋さんと世界一高いカフェテリアに到着。その場所こそがカルドンラ。写真を撮って、世界一高い場所でマギーっていうインスタントラーメンを注文して一気に食べて下山開始。今日は時間がないのだ。

下山の時は登山の時よりも道が悪くなくて、空気が薄かったせいかすごく眠くてそのせいで何回も落ちそうになった。
とにかく貴重な経験をしたなあという印象が大きかった。それとエキサイティングだった。楽しかった。

夕方になって、晩ご飯を食べに行った。最後の晩はベジタリアンのパーティプレート。ラダク人はほんとに親切で満腹になっても食べさせてくるからもう腹11分目以上になっていた。しかし、友達3人と食べるご飯はおいしい。

そして帰り道にかったキングフィッシャービールですぐに酔ってしまうというオチ。

帰りに準備をして、その日も星が落ちてきそうなくらいきれいだったので、布団を勝手に屋上に持ってきて屋上で友達と寝た。

そして旅は終了した。