とある現地社員の数奇な一生

彼は有名大学を卒業後、大企業に就職。

20年その企業でまじめに勤め上げ、ある日海外出張を命じられる。その国はタイ。

しかし、未だに独身だ。独り身で海外に駐在に行くのは心もとない。慌ててお見合いをし日本人の奥さんを得る。

タイで初めての夫婦生活を送る。当然彼女のことはあまり知る由もなく、そりが合わない。そのうち離婚。

結局独り身になってしまった。タイという国は「男の楽園」と言われている。
要するに風俗業が盛んなのだ。その国に行けば、日本では相手にもされないような男がまるで映画「モテキ」の様にもてはやされる。

当然、彼は勘違いしてしまう。スラム出身のスレンダーなタイ人と結婚をする。
はじめは甲斐性もよく、彼は彼女にぞっこん。

駐在員であったため、贅沢な暮らしを送っていた。彼女は家にいる間はネットのゲームに夢中で次第に家事も何もしなくなる。

ある日、タイからインドに転勤を言い渡される。妻はタイに残るという。彼は仕方なく一人でインドに行くことになる。
インドにいる間も彼女は数回インドに来ていた。しかし、彼の結婚生活の大半は彼女と生活していない。

彼女には毎月十分なほどのお金を送金している。

彼は転職の機会を得る。これまで20数年つとめた企業を去り、現地採用として現地の日系企業現地採用として採用される。
なぜ転職をしたのか、それはこれまでビザの関係で連れてこられなかった、妻を呼ぶためだ。

妻を呼ぶ準備を整える。しかし、妻は家族の病気などのさまざまな理由を付けてなかなかインドに来ようとしない。
彼はそれを受け入れるしかない。

たまにインドに来たとしても、旅行程度の日程で彼は彼女にたくさんの服や鞄を買ってあげる。
それでも彼は文句を言うことなく、彼女に尽くす。送金も毎月している。

転職先の企業も自分に合わず、もうやめてしまいたいと思っている。

日本にも両親はいるが、両親は多額の借金を抱えており、前職の時は月に10万円程度の送金をしていた。しかし、だんだんとばからしくなり、家族との縁を切っている。友達もいない。



実際にいる人らしいです。この話を聞いた時に、「嫌われ松子の一生」を思い出した。事実は小説より奇なり。