【読後感】虐殺器官

30かそこらであの文章を書くというのは天才だって思った。

伊藤計劃という人は芥川賞をとった円城塔という作家の記者会見で名前を初めて知った。計劃っていう変わったペンネームで印象に残っていて、その後本屋さんで立ち読みしていたりして、いつかかって読もうと思っていた。

しかしなかなか機会はなく、インドに留学に行ってしまう。

その時にたまたま世界一周している海保の人に出会って、その人が持っていた虐殺器官を譲ってもらった。そういうことで、インドから帰ってきてから3週間。
時間はかかったけど、読了した。

読んでみて思ったことは、計劃さんの言葉とか意識とかに対する深い洞察だった。

言葉というのは、人類の生存適応のための器官だって言う言葉に感銘を受けた。なんで言葉を習うの?動物と人間を分ける最大の違いって言葉をしゃべるかしゃべらないかっていう違いだと聞いたことがある。まあ他にもあると思うけど。

言葉を発達させる理由があったはず。それは道具を使い始めた人類がものを奪い合うようになり、自分と他人を区別するようになる。区別の過程で言葉というのが必要になってくる。すなわち言葉を発達させることは人類が人間として生きて行くのに必要なことだと。

人類はアフリカに起源持っててなんで言葉っていっぱい分かれたんだろう。そんなことを考えさせられた。

非常に面白かった。

いまはメタルギアソリッドを読んでいる。